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2012.01.29 / 建築と住まいの話

エアサイクル地域研修会

ホームページのリニューアルに伴い、コラムの更新が滞ってしまい失礼しました。

今月18日に、静岡県浜松市でエアサイクルグループの地域研修会が開かれました。
この地域研修会は今回で3回目になりますが、1回目は群馬県高崎市にある立見建設のモデルハウスを見学しました。
2回目は一昨年、東京で行われた全国大会の翌日に、当社コンセプトハウスを見ていただきました。

そして今回、静岡県浜松市に建てられたサン住宅のモデルハウスを見学するため、全国から100名近くの方々が集まりました。

先ずは午前と午後の2組に分かれて、建物の見学が行われました。

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初めにサン住宅の室伏社長から計画の概要が説明され、その後は自由見学です。
サン住宅のスタッフに質問をしたり、写真を撮ったりして、どなたも細部の造りや全体のバランスなどを熱心に観察していました。

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当社は、初秋の社内研修で仕上工事前の建築現場を訪れていましたが、今回参加した6名のうち、社長と私以外の4人は完成したモデルハウスを見るのは初めてでした。
したがって当社の住宅にも活かせるところはないかと、他社の見学者以上に真剣に目を凝らしていたようです。

ちなみに私はその時、打合せ用のスペースを借りて、研修に来ていた早川工務店の早川さんと、設計中の自宅兼モデルハウスの打合せをしていました。
早川さんの住宅は3月初めに上棟する予定ですので、またこのコラムで報告します。


見学会終了後、浜松駅ビルの会議室に場所を変えて、視察研修の記念講演が行われました。

テーマは「モデルハウスの設計コンセプト」、講演者は私です。

計画の背景から具体的な設計手法についてまで、スクリーンに映像やレジュメを映しながら、1時間半の講演を行いました。
少ない聴衆の前で話すことには慣れていますが(苦笑)、会場ぎっしりの約100名を前にすると流石に少し緊張します。

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住宅をつくる側の人たちを相手にする講演は、専門用語を交えたり、話す言葉が伝わりやすい点は楽なのですが、話の内容は必然的に高度なものが求められます。
北は岩手県、南は鹿児島県から「どんな話が聞けるかな」と楽しみに来られた方もいるので、少しも手が抜けません。

本業である設計業務の手を止めて、仲間と家族に迷惑を掛けながら、前日まで講演の準備をしてしまいました(笑)。

参加者の一番の関心事は、恐らく外観デザインです。
なぜなら、室内の空間デザイン以上に難しいのが外観デザインだからです。
建て主の要望を受けてそのまま家を建てると、大抵の場合、ぱっとしない外観が出来上がってしまいます。
外観を美しく見せるためには、ルールを整備してそれを守ることが必要なのです。

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実は昨年の1月から2月にかけて、『建築知識ビルダーズvol.4』の原稿をまとめていました。
特集タイトルは「住宅の外観デザインマニュアル」で、自分に与えられたテーマは「和モダンの外観デザインテクニック」でした。
偶然にも、モデルハウスの基本設計がちょうど同じ時期に重なっていたので、自分の中でもうまく整理して進められたのだと思います。

講演でもその内容を反復し、サン住宅モデルハウスの外観に当てはめて解説しました。
階高を低く抑える。緩勾配の切妻屋根を架ける。軒先を薄く見せる。彫を深くする。
窓を取る位置に注意する。板張りの外壁や木製の竪格子を採り入れる。
これらを実践すれば随分と外観の印象は変わると思いますが、本質的に外観デザインを整えるためには、プランニングから考えることが大切です。

そういう言う訳で、自社のデザイン、住宅設計を見直したい方は声を掛けてくださいね、と営業宣伝をして講演を締めくくりました(笑)

岸 未希亜

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