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2012.10.24 / 建築と住まいの話

横浜小机の家 ご紹介


 スタッフのKです。 
 今日は、横浜の若夫婦のお宅をご紹介します! 

 まずは、外観をご覧下さい。良い写真が無く、私自身大変残念です。。
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 今回も、神奈川エコハウスの事例としては、珍しく洋風テイストが強いと思います。 

 大きな違いは、何だと思いますか? 

 屋根勾配です。
 神奈川エコハウスでは3.5寸以下が多いのですが、ロフトを大きく創りたいというお客様のご要望にお応えして、今回は5寸で計画しています。 
 2階が乗っていない、1層のみの部分を「下屋」と呼んでいますが、この下屋の屋根勾配も5寸にしています。その為、「母屋」と「下屋」が接する部分が大きくなり、ダイナミックな空間ができました。これは、中に入ってからのお楽しみです。 
 外観について他に補足すると、外観写真では分かりませんが8畳程度の広いバルコニーが隠れています。バルコニーに出ると、その先には鶴見川のサイクリングコースを臨めます。心地よい風が入り、洗濯干しは勿論、お昼寝やプール遊びに良さそうです!
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 前置きが長くなりました。早速、中に入ってみましょう! 
 まずは、玄関。こちらも良い写真が無くて残念。少し小さ目ではありますが、日本料亭の様な趣です。
 床は、クリの「ウレタンマローネ」色塗装。巾木、上り框等も床の色に合わせて塗装しています。
 リビングドアはオプション品の格子デザイン。
 壁は、凹凸がある壁紙で仕上げています。壁を一部凹ませていることで面積以上の広さを感じさせています。是非ここにお花を活けて頂けたらとおもっています。
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 ここがリビング。先程説明した、下屋の5寸勾配屋根が効いています。「桁」と呼んでいる屋根を架ける基準となる梁が正面に見えています。その基準よりもこんなに高い位置まで空間が広がっています。
正面左が階段、右側が2階の4.5畳のスタディーコーナーと繋がっています。そして、正面に向かって右と左に引違いのサッシが計画されていて、右はなんと、前述のバルコニーに繋がっています。空を眺めながら過ごすことは、気持ちが良いものですよね♪
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 そして、ダイニングと和室です。このお宅では、D+L+和室と雁行して(少しずつずれて)配置されているので、それぞれに「角」が発生し、それが「溜まり」となって居心地の良いスペースをそれぞれに生んでいます。
 和室の2方向の建具を閉めれば、完結した個室に早変わり。ご両親がお泊りになる際も安心です。
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 先程は、外観の特徴を説明しましたが、今度は内部の特徴を説明します。
 こちらもまずは、洋風テイストが強いという事。実は、奥様は某ハウスメーカーのインテリアをお好みでした。ですが、ご主人が神奈川エコハウスの「エアサイクル工法」を気に入って下さり、最終的には、神奈川エコハウスとご契約して下さったのです。
 なので、工法は「神奈川エコハウス仕様」でいいけれど、インテリアは・・・という事情があったのです。いつもは、桧などの白っぽい木と漆喰、合板は使わずに、素朴でナチュラルなイメージで、というご希望が多いのですが、今回のお客様は、濃い色の木材をお好みで重厚感を求めているように感じました。
 床材は、先程も登場した「ウレタンマローネ」色のクリ と アッシュ、2階はヒノキ無塗装です。
 サッシの内部色も一部、ショコラブラウン色を使用しています。 柱、梁も濃色塗装を希望され検討しましたが、見送られました。
 ですが、トイレ・洗面所は、木部の塗装を行ってグッと洋風な雰囲気に仕上げています。塗装のみならず、タイルや天然石、クレイペイントを使用し素敵な空間になりました。ご覧下さい。

 まずは、トイレ。
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 小便器も備えたほぼ1坪の空間です。「飲食店のお店のように暗くしてみましょう。」という提案をご採用下さいました。
 グレイ色のタイルを床と腰壁まで貼りあげています。そしてこだわってみた(私が・・ですが。)部分がタイル目地。グレイのタイルに対してグレーピンク色の物SS-41K(INAX)を選びました。職人さんにしてみれば、強度の補強をし難い色で苦労があったようですが、今回も知恵と工夫で乗り切って頂きました。いつも有難うございます。計画した私としては大満足です!
 腰壁上部は、天然石を載せています。
 サッシ内部色もショコラブラウン。下枠と連続させた手洗いカウンターも同色に塗装しています。
 壁紙は少しシルバーに輝く暗めの色を選びました。
1004-8.jpg  照明器具は、LD-2947G(山田照明)。神奈川エコハウスの本社で使用して以来、気に入ってご提案しています。LEDユニットを使用していて、切子ガラスのように模様が刻まれたアクリル板を輝かせます。女性デザイナーの作品だそうです。
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 そして、洗面室。
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 床のタイルはトイレと同じ品です。こちらの目地は、グレーベージュです。
 サッシ、サッシ枠もトイレと同様。洗面カウンターもトイレと同種の「マハマブルー」という天然石です。グレー地に赤の斑紋が入り洒落ています。
 壁は「クレイペイント」(縄文)という塗料の№88Kidwellitという色を選択しました。菫色がかったグレー色です。
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 化粧合板の建具も使用しているのでご覧ください。
 引手も少し個性的な物を使用してみました。
 今回、化粧合板の建具を使用した目的は、金額を抑えるという事でしたが、結論から言いますと思ったほど抑えられませんでした。
 一般的な無垢板の建具と化粧合板を使用したフラッシュ戸では、勿論後者の方が安価です。ですが、神奈川エコハウスが提供するモミ製の無垢板建具は、非常に価格を抑えている為、想像以上の差額はでませんでした。ただ、扉のサイズが大きい場合、使用する化粧合板に制約が生じる事を理解して頂ければ、化粧合板建具の方が金額を抑える事ができそうです。
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 洋風テイストの話ばかりしてきましたが、対して和テイストの部分もあります。
 先程も登場した1階の和室と2階主寝室の天井の和紙張りをご覧ください。  

 和室は、壁は京壁。
 天井は、トイレと色違いの光沢の有る壁紙を「目透し張り」にしています。
 照明器具は、イサム・ノグチの物です。
 押入れの両開き襖には、梅花(白茶)の紙を選びました。私のお気に入りの一つです。
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 寝室の方も「目透し張り」で、こちらは「雲竜紙」の白茶としました。淡い黄色で、優しく照明の光を広げます。
 この居室は勾配天井なのですが、寝室の為、毎日必ず天井が目に入る事と思います。その為、天井面を遮らない「間接照明」とし、「和紙」、「目透し張り」と3重のご提案(お願い?)をしました。なかなか、全てご了承頂けなかった事を覚えています。最後は、神奈川エコハウスのコンセプトハウスに場所を移し、「こんなに雰囲気がいいんです!」と力説し、ご了承を得ました(笑)。
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 特徴の説明はまだまだ続きますよ! 
 次は、設備に参りましょう。 
 まずは、「kitchenhouse」のI型キッチンとバックセット。
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 神奈川エコハウスでは、初採用となります。知る人ぞ知る「kitchenhouse」。
 ご紹介し、ご夫婦でショールームに行かれ、奥様が大変気に入って下さりました。
 「マノーネ」というシリーズを使い、多少制約は有るのですが、神奈川エコハウス仕様ということで、通常よりは大変リーズナブルにご提供頂いています。
 他には、「I型ハーフペニンシュラ」タイプ、ダイニングテーブルがセットになった「アイランド型」もございます。勿論、神奈川エコハウス仕様ではなく、自由設計も可能です。
 先日、神奈川エコハウスの一部社員が改めて「kitchenhouse」さんのセミナーを受けてきました。神奈川エコハウス、「一押し」ですので是非ご検討下さい。
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 足の部分(台輪)と本体の大きさが違うので、より家具の雰囲気が強まります。
 このシリーズでは、仕上は「メラミンのプリント合板」となりますが、ベルギー製の質の良い物を選択し、木目が綺麗に繋がっているか1件1件実際に施工前に試張りをして確認しています。
 扉の裏も綺麗にできています。まるで1枚の無垢板のようです。
 「kitchenhouse」さんでは、「時間品質」というポリシーを掲げ、耐久性(開閉時のクッション部分がしっかりしていてへたらない等)や美観性(「裏」という考え方で造らない、見えない所も同様に美しく造る等)を重要視して製作しています。
 「見えない所も綺麗に」なんて、神奈川エコハウスと通じるところがあると思いました。


 話を元に戻します。
 設備その2は、「太陽光発電設備」です。 
 お客様と一緒に取付会社の方から説明を受けましたが、私自身も欲しくなってしまいました(笑)。
 「発電」「売電」「買電」等の状況がパネル一つで発光色の種類によって分かります。説明を夢中で聞きすぎて写真を撮るのを忘れてしまいました。。
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 最後は、ロフトの写真と特徴「照明器具」で終わりにいたしましょう。 
 ロフトは、天井高1.4m以下と規制されています。
 目一杯の天井高と窓が1ヵ所、照明器具も2カ所に設置しています。
 お蔭で階段室の窓と合わせて通風抜群です。尚且つ吹抜けを通して繋がっている子供室やスタディスコーナーに照明の光が届き快適です。
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 階段室の窓から、富士山が見えるかも・・・という事で計画しましたが・・・・。結果は、残念。でも見晴らしの良い景色ですよね。
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 では、「照明器具」紹介。
 イタリアのアルテミデ社の「カストーレ」です。
 上部からリビングを覗いたところです。この大空間に映える!と思いご提案しました。大きさ違いを上下にずらして配置しています。 
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 ダイニング 「Octo4240」北欧の商品です。時々雑誌やshopに飾られているので、ご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
 存在感はありますが、造りは至ってシンプルです。これからの食卓を彩ってくれるはずです。
 補助にハロゲンランプのスポットライトも加えました。ダクトレールで移動や追加が可能です。
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 子供室です。将来間仕切り可能です。
 このお宅は切妻屋根です。2階はほぼ全て勾配天井で、中央のみ下はトイレと廊下と階段、上はロフトとなっています。
 勾配天井の4隅に、ライトの角度を変えられる照明器具を「火打ち梁」の上に見えないように設置しました。松明の明かりを思い起こさせて、面白いのでは?と思っています。
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 今回も長くなってしまいました。細部の紹介ばかりで、間取りがよく分からなかったでしょうか?
 実はこのお宅、延床面積は100㎡を下回っています。(ロフト除く)
 3間×4間の総2階の切妻屋根を持つ「母屋」に2間×3間の片流れ屋根の「下屋」が雁行してくっついている形態です。
 6畳のL+5畳のD+5畳のK+4.5畳の和室、4.5畳の子供室×2+4.5畳のスタディーコーナー+4.5畳の主寝室を持っています。
 1階:18坪、2階:12坪の計30坪です。
 他にロフト、10㎡(3坪)があります。
 狭い、広いのメリハリと高さ方向の空間の利用で、面積以上の印象を受けます。 

 私自身のこのお宅に対する印象は、「多くの提案を採用して下さった!」という事です。
 トイレや照明器具等、個性的な提案を採用して下さったと感謝しています。」
 私自身、色々な商品を見慣れているせいか、ついついご提案が派手になりがちです。。
 自分でも自覚していて、ご提案時には「私の中の大本命」、「落ち着いた商品」、「価格重視商品」といくつかの物を同時にお見せし、お客様の反応を見ながら合わせていきます。
 今回は、お客様が選択された物がいくつも「大本命」に当たりました。冷静を装っていましたが、非常に驚きました。嬉しいサプライズでした!
 その為、積極的にご提案してしまいました(笑)。 

 打合せ中、奥様は妊娠中で、予定日よりもかなり早くご出産というハプニングもありましたが、無事誕生した赤ちゃんがこのお宅で伸び伸びと育って欲しいと心から願っています。
 Y様、ありがとうございました。


  

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