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2014.06.27 / よもやま話

決勝トーナメント

今朝の試合でワールドカップの予選リーグが全て終わり、決勝トーナメント進出チームが出揃いました。
優勝候補のブラジル、ドイツ、アルゼンチンが順当に首位通過した一方で、前回優勝のスペイン、前々回優勝のイタリアが予選敗退する波乱もあり、なかなか大会前の予想通りにはいきません。ご存知の通り、日本も1分け2敗と惨敗しましたが、これが意外だったのか順当だったのかは意見の分かれるところです。

WC2014.1.jpg  朝日新聞6月26日より

水曜日の早朝に第3戦の日本vsコロンビアの試合があったので、多くの方は早起きしてテレビをご覧になったと思いますが、応援の甲斐もなく日本は敗れました。
「自分たちのサッカー」という言葉がテレビを通じて盛んに言われていましたが、これは4年前の南アフリカ大会以来の合言葉になっています。当時の岡田監督は、大会直前に行った親善試合に負け続けたことで、「自分たちのサッカー」を封印し、守備的に戦うことで勝つ確率を高めようとリアリズムに徹しました。そして見事にカメルーン、デンマークに勝って2勝1敗で予選リーグを突破したのですが、選手たちの間には煮え切らないものが残ったと言われています。

4年の歳月を経た今回、ザッケローニ監督の下で攻撃的に戦うことを選択した訳ですが、まだまだ時期尚早だったという結論を突き付けられてしまいました。

サッカーをしたことがある人なら分かると思いますが、「自分たちのサッカー」を貫けるのは、優勝を争う力を持つごく一部のチームに限られます。それ以外のチームにとっては、対戦相手の力量を踏まえて戦い方を変えながら戦わざるを得ないのです。
ここ最近のワールドカップで言えば、攻撃的に自分たちのサッカーを演じられるのはブラジル、スペイン、ドイツぐらいでしょうか。守備的な戦いを得意とするイタリア、ウルグアイなども「自分たちのサッカー」を貫けるチームと言えます。
日本はコートジボワール、ギリシャ、コロンビアといった言わば2流国に対しても「自分たちのサッカー」が貫けなかった訳で、「自分たちのサッカー」自体を見誤っていたように感じます。

以前から、「日本はメキシコのサッカーを手本にするべき」と言われてきましたが、今大会ではチリのサッカーも日本にとっての良いお手本だと思います。どちらの国も体格的には恵まれていないのですが、豊富な運動量と守備の連動性をベースに積極的にボール奪取を仕掛け、例外なく全員がそれを遂行します。
その上で個人でも違いを創り出せる2,3人の選手がいて、チームを引っ張ったり勝負を決めたりしています。違いを創り出すレベルがメッシやネイマールの域に達していれば別ですが、日本の場合は運動量や守備での貢献ができなければ、そこがチームとしての弱みにさえなってしまうのです。
昨年のU-17(17歳以下)ワールドカップでは、日本が圧倒的なボール支配率で試合を掌握する姿が見られました。しかもレギュラーメンバーを固定せず、全員を出場させながら予選全勝を果たし、決勝トーナメントに駒を進めたのですが、ここでは試合を掌握しながら勝負弱さを露呈して敗れました。
課題も残った訳ですが、日本が目指すべき一つのヒントはありました。
「中途半端な個の力より、圧倒的な集団の力」
今のところこれしか見当たりません。


さて、日本が負けたからといってワールドカップが終わった訳ではありません。

WC2014.2.jpg  Sports Graphic Number6/25臨時増刊号より
WC2014.3.jpg  Sports Graphic Number6/30臨時増刊号より

強豪国にとっては決勝トーナメントからが本番です。国によって違うプレースタイルを見るのも一興ですし、一流選手の華麗なプレーを見るのも楽しみです。優勝国やベスト4に残る国を予想するのも楽しいでしょう。
ちなみに私の予想は、優勝ドイツ、準優勝オランダ、ベスト4がブラジル、アルゼンチンです。

岸 未希亜

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