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2015.03.22 / 建築と住まいの話

木造建築学校終了

吉田桂二先生主宰の木造建築学校が先日の3/14(土)に終了しました。
知らない方もおられると思いますので、木造建築学校について簡単に説明します。
吉田桂二先生は、木造建築の大家と言われる建築家で、その先生が主宰している実務者のための学校です。学校は、技(わざ)組と匠(たくみ)組という2つのコースに分かれています。どちらのコースも住宅設計の課題が出され、生徒各自なりの解答図面を提出し、先生に添削してもらいます。課題は年に5つ出され、2ヶ月に1回開かれる授業で、課題の発表や講評が行われます。

技組は「戒律」という、設計をする上での決まり事が存在し、それをもとに課題に取り組む、いわゆる基本コースです。
匠組は、「戒律」を理解した上で、それから自由に解き放たれて設計することが許される、いわゆる上級コースです。技組を卒業できた人だけが匠組に入学できる仕組みで、匠組に卒業はありません。

生徒は主に、木造住宅の設計者、現場監督、大工等ですが、役所関係の人や主婦、定年退職者等も参加しています。年齢も20歳代から70歳代まで幅広く、北は福島県から南は長崎県など、地方の様々なところから、学校のある東京の飯田橋に集まってきます。様々な方が集まってくるということで、とても刺激的な学校でした。

神奈川エコハウスからは、学校が始まった11年前から毎年のように社員が参加し、吉田先生の教えを受けています。元々、当社は吉田先生と30年前からお付き合いがあり、先生に8棟の住宅を設計してもらう中で、先生の家づくりを学んできました。
さらに当社の岸は吉田先生の直弟子で、連合設計社在籍時には学校の講師も務めていました。そんな訳で、当社のつくる家には、吉田先生の教えが脈々と受け継がれていると言えます。

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上の写真は、木造建築学校・匠組での先生による講評の様子です。プロジェクターで映し出された生徒の課題解答図面に対し、生徒が説明した上で先生が講評します。数々の経験を踏まえた上でのアドバイスを受けることができるので、実務者として、とても為になる授業です。

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課題への解答図面は基本的に手書きで書きます。人によっては、コンセプトの長い文章を書いてきたり、スケッチや模型などを出す人もいます。

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上の写真は授業の休憩中の風景です。このような会場で行われ、休憩時には、生徒同士の仕事の近況等で話が盛り上がります。また授業終了後の飲み会では木造建築を志すもの同士、親交を深めました。

このように、吉田桂二先生の授業のもとで、生徒同士互いに刺激し合いながら、長い間学校が開催されてきましたが、先日の授業で11年間の学校に幕が閉じられました。先生が高齢になり、来年度はこのような形では継続できないということですが、先生が今までの学校の流れを継続したい意向もあり、来年度は形を変え、少し砕けた形のサロン的なものになるということです。

私もこの学校に計6年間(技組2年、匠組4年)通い、仕事の進路を考える上でとても影響を受けました。具体的には、それまで従事していた設備設計の分野から、木造建築の分野へと進路変更を決心して、縁あって神奈川エコハウスに入社し、今は木造住宅の設計と施工に携わっています。今後は先生の教えを日々再確認しながら、頑張っていきたいと思います。

坪田 将浩

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