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2016年07月29日

美しい組子細工

長野で建築予定の庫裡(寺の住居部分)の設計が終わりました。アースデザインオフィスで約1年半前から計画を進めてきましたが、建て主がお忙しいため検討期間も長く、設計変更も何度かありましたので、この間ずっと設計していたという訳ではありませんが、これで一区切りです。
打合せに通っている中で、凄いモノを見せてもらったので、皆様に紹介します。

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これは組子細工(くみこざいく)です。一般住宅ではほとんどお目にかからない代物ですが、地方の本格的な和風住宅では、障子や欄間の建具に、こうした精緻な細工を施した組子が見られます。障子の組子といえば、竪の本数や横の本数を加減したり、等間隔にするか吹き寄せにするか、シンメトリーを崩すか等、基本的なデザインはすぐに思い浮かびます。しかし組子細工の建具は、デザインが多種多様で驚くほどです。

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これは、長野市篠ノ井に栄建具工芸を構える横田栄一さんのご自宅にある組子欄間です。和室の続き間で、部屋境の襖の上に造られるものなので、現代の住宅では欄間そのものが見られなくなっています。

横田さんは小諸市の家具職人の家に生まれ、職業訓練校で木工を学んだ後、16歳から8年間を住み込みで建具の修行に励むなか、「建具職人として一番高い所を目指すとしたら、組子ができる職人だ」と25歳で独立。当時は考えられなかった組子細工のマーケットを開拓し、現在は仕事の7割が文化財の修復というほど、この世界の第一人者として活躍されています。
横田さんは、これから庫裡を建築するお寺の檀家で、工務店の社長とも親しい間柄なので、庫裡の建具製作をしていただきます。組子細工の建具は2ヶ所の欄間だけですが・・・(笑)

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これは内閣総理大臣賞を受賞した組子細工の建具です。内閣総理大臣賞を受賞すること4回、黄綬褒章も受賞している現代の名工で、テレビ番組に出演したこともあるそうです。

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全体像では分かりにくいですが、寄っていくとその凄さが分かります。

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これは別の障子ですが、さらに近寄ってみると、精緻な細工がされていることに驚きます。小さく切った木片を組み合わせてはめ込んでいく作業は、気が遠くなりそうです。

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このように、組子細工で絵を描くこともあります。彩色されていますが、塗装ではなく樹種の違いで色を出しており、千曲川と信州の山並みを表現しています。

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杉、檜、青森ヒバ、欅、春椿、神代杉、神代桂、神代栓など樹種を変えながら、組子の形も変えながら絵を描くというのは、いったいどのような思考回路なのでしょうか。私には分かりません(笑)
兎にも角にも、至高の技術を持った職人の仕事を近くで見ることができるので、とても楽しみです。

岸 未希亜

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