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2016.09.02 / よもやま話

未体験の北海道

3年前にも書きましたが、妻が北海道の出身で娘2人も北海道で生まれているため、夏になると彼女らは故郷へ帰っていきます。今年は7月末から娘2人だけで先に妻の実家へ行き、私たち夫婦は、お盆の後に夏休みを取って里帰りしました。昨夏、初めて実家に帰らなかった妻は2年ぶり、私は3年ぶりの北海道です。

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何も見ないで「北海道」を描くのは難しいですが、菱形のような大まかな凹凸はイメージできますよね?
北側の突端は日本最北端の地(北方領土を除く)である宗谷岬(そうやみさき)。東側は知床半島と根室半島が2本の角状になっていて、根室半島の先端を納沙布岬(のさっぷみさき)といい、目の前には北方領土が迫っています。
そして、北海道の中央南に突き出した部分が「襟裳岬(えりもみさき)」です。襟裳岬と言えば、森進一が唄う「えり~もの、春~は~、何も~ない、春です~」が思い浮かぶと思います(笑)

私も北海道には何度も来ているので、有名な場所はだいたい抑えているつもりですが、襟裳岬にはまだ行ったことが無く、実家のある帯広から2時間(約110km)かけて行って来ました。

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荒々しい岩肌の襟裳岬は、日高山脈の南端が海まで突き出したような格好で、岩礁が海の先へと連続しています。相模湾のような穏やかな海と違って、太平洋に接した風の強さ、厳しい自然が印象的でした。

襟裳岬から日高山脈の西側を海岸線に沿って北上すると、浦河、静内、新冠(にいかっぷ)といった町を通過します。この地名を聞いてピント来た貴方は、もちろん競馬好きですよね(笑)新冠町にある「サラブレッド銀座」を訪れると、レースを引退した元競走馬や、その子供たちが見られます。

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かつては、日高地方にある中小規模の牧場が日本競馬を牽引し、競馬史に残る名馬を多数輩出していましたが、現在、競馬界を席巻しているのは、千歳空港の近くに広大な施設を構える社台ファーム(千歳市)やノーザンファーム(安平町)で、世界的にもトップクラスのブリーダーです。
それでもここ数年のGⅠレース(全24戦)を見れば、優勝馬の約半数は日高の中小牧場が生産したサラブレッドで、その事実は興味深くロマンがあります。馬主が北島三郎ということで知られるキタサンブラック(ヤナガワ牧場/日高町)も、そのうちの1頭です。

翌日は、札幌を拠点に親戚や友人に会った他、小学2年生の次女が、ガイドブックの綺麗な写真を見て「ここに行きたい」と主張したため、小樽(おたる)にも行って来ました。

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小樽は明治期から昭和初期にかけて、北海道経済の中心地として栄えた町です。石造りの倉庫や銀行などの洋風建築が残り、今日でも歴史の息吹が感じられます。写真でもお馴染みの有名な場所が「小樽運河」ですが、中国人観光客を中心に多くの人でごった返し、残念ながら風情は感じられませんでした。それでも、人力車に乗ってお姫様気分を味わい、お昼ご飯に海鮮丼を食べ、友だちにガラス細工のお土産を買ったりして、娘たちは十分に楽しめたようです。

小樽まで来たので、もう少し足を延ばして余市(よいち)にも行って来ました。この地名にピンと来た貴方は、ウイスキー好きか、NHKの朝ドラ好きかのどちらかですね(笑)

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連続テレビ小説「マッサン」のモデルは、ニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝です。日本ではまだイミテーションウイスキーが主流だった大正時代、彼は単身スコットランドに渡ってウイスキー造りを学び、日本で最初に「本物のウイスキー」を造りました。ドラマを見ていた時は、「スモーキーフレーバー」「ポットスチル(単式蒸留器)」といった言葉が頭から離れませんでしたが(笑)、残っている往時の施設を見学すると、その世界観が甦ります。見学の他、ウイスキーやりんごジュースの試飲も可能で、全て無料なのも驚きです。

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ウイスキーに詳しい人はご存知だと思いますが、「竹鶴」や「余市」という名のピュアモルトウイスキーは、世界のウイスキーコンテストで最高賞を受賞している逸品です。マッサンの想いが現在の社員、ブレンダーにも受け継がれているところに、感動を覚えますね。

ところで、私が北海道に滞在していた1週間に3つの台風が上陸し、帰京を予定していた22日は、台風9号の接近で飛行機が欠航しました。予定通りに帰れなくなり、「酷い目にあった」と笑い話にするつもりでしたが、30~31日に台風10号の影響で北海道各地に大きな被害が発生。笑い話では済まされなくなりました。亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、一日も早い復旧を切に願います。

岸 未希亜

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