梅雨に入り、雨や曇りの日が多くなってきました。
どんよりした天気や湿度の高さによって、人々からあまり好かれない梅雨ですが、紫陽花(あじさい)の花が私たちの目を和ませてくれます。
通称「アジサイ寺」と呼ばれる明月院など、鎌倉には紫陽花の名所が幾つもありますが、今日は長谷寺を紹介します。
「あじさい」という名前は、「藍色が集まったもの」を意味する「あづさい(集真藍)」が訛ったものだそうですが、現在の色で言えば「紫」の花というイメージが強いのではないでしょうか。
実際の花の色は、アントシアニン等の色素、土壌の酸性度、アルミニウムイオン量、開花からの日数によって様々に変化するそうです。品種によって基本の色はあるみたいですが、実に複雑な要因が絡んでいるんですね。
長谷寺は十一面観音を本尊とするため、通称「長谷観音」とも呼ばれています。
また長谷寺といえば、奈良県桜井市にある同名の「長谷寺」の歴史が古く、奈良の長谷寺を創立した僧侶が招かれて鎌倉に開山したとも、楠の大木から2体の十一面観音像を造り、1体を奈良の長谷寺の本尊にしてもう1体を祈請の上で海に流したところ、三浦半島に流れ着いたものを安置して開いたのが鎌倉の長谷寺とも伝えられているそうです。
長谷寺(鎌倉)は、観音山の裾野に広がる下境内と、その中腹に切り開かれた上境内に分かれています。上境内には、本尊が安置される観音堂をはじめ主要な建物が建ち並ぶほか、鎌倉の海と町並みが一望できる「見晴台」があります。
そして一番奥にある「眺望散策路」の周辺には、40種類以上約2500株のアジサイが群生しています。正にこの時期、「アジサイのこみち」として多くの観光客で賑わっていました。
散策路は平日でも渋滞するほどの人混みで、週末はディズニーランドのように長い列に並ばなければ見られないみたいです。紫陽花を見に行くなら、ぜひ平日の午前中にお出掛けください。
岸 未希亜