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2012.07.14 / 建築と住まいの話

これからの省エネルギー基準

 政府は、7月10日、2020年までにすべての新築住宅に省エネルギー基準への適合を義務付けることなど、住宅の省エネ、省CO2対策に関する「中間とりまとめ」を公表しました。

現在の省エネ基準の最高は、次世代省エネルギー基準と呼ばれるもので、1999年に決まった基準なので、次世代と呼ぶには、もうちょっと古い基準です。また、断熱基準は義務ではなく、あくまで性能評価の目安でしたので、どのレベルとするかは、自由でした。ちなみに、当社では全棟個別に温熱計算を行い、次世代省エネ基準に適合することを確認しています。

「新省エネ」、「次世代省エネ」ときて、さて次はどうなるのかと、思っていましたが、今回は大きく考え方が変わるようです。これからは、建物の断熱性能だけでなく、設備の効率や創エネルギーなどの効果も含めて評価され、一次エネルギー消費量を尺度にした基準に変わります。

一次エネルギーとは、石油や天然ガスなど、自然界にあるままの状態のエネルギー、そして、電気やガソリンなど、私たちが実際に使う形に加工されたエネルギーを2次エネルギーといいます。

2次エネルギーを作りだす効率なども影響するので、おお元となる自然界の1次エネルギーをどれくらい消費したかが重要になります。今までどおり断熱性能(Q値)を上げれば、1次エネルギーの消費量は削減されますし、エコジョーズ・エコキュートなどの高効率の設備や太陽光発電、太陽熱温水器などの設備を使用し、削減することもできます。いろいろな方法が考えられ、評価されるようになります。

すでに、この考え方は一部の住宅に適用されているトップランナー基準や、当社で現在、補助金申請中のゼロエネルギー住宅の評価などに取り入れられ、さらに、ゼロエネの上をいくライフサイクルカーボンマイナス(LCCM)住宅へとつながっていきます。

また、「伝統的な木造住宅についても、日射遮蔽・取得や通風利用など地域特性に合った工夫の省エネ効果を評価する方法などを検討する。」とあり、いままで性能評価の上で、全く評価されることがなかった伝統的なパッシブデザインの手法が評価されるようになるかもしれません。
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性能評価の基準も大きく変わりそうです、私たちの造るすまいも、伝統的なすまいの良さを更に活かしつつ、断熱性能も更に上げていきたいと思います。

しかし、どのようにしても、数値では評価しきれない五感で感じる住み心地のよさ、この大切さを忘れずに、すまい造りを行っていきたいものです。そのあたりは、ぜひぜひ、コンセプトハウスや見学会でご体感ください。
高橋



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