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2012.07.01 / 建築と住まいの話

1年点検

 先日 K邸の1年点検に行ってきました。
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 K邸は、羊毛と杉皮ボードの断熱材を組み合わせて使用し、外壁も火山灰塗り壁と焼杉など、特に自然素材にこだわったお宅です。
1年を生活されての住み心地は、とても快適なようです。夏は、自然の通風でとてもいい風が抜け、リビングが一番涼しいとのこと。2階のオープンスペースも快適なようで、概ね予定どおりの通風が得られています。
 冬は、ペレットストーブが活躍します。使用は朝の数時間と夕方4時から9時くらい、オープンな空間なので、暖房はこれだけで対応できているとのこと。こちらも設計どおりの結果が得られています。
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 また、こちらのお宅には、太陽光発電、太陽熱温水器、雨水利用タンクなど、環境に配慮した設備がたくさん取り入れられています。予算がふんだんにあったわけではありませんが、削れる部分は削り、我慢するところは我慢し、そして、こだわる部分には徹底的にこだわり、自分らしい住まいを実現しています。
太陽光発電に関しては、1年間トータルの発電量:3,676kWh
売電金額は、年間で約18万円(買取価格は48円)で、10年くらいで元がとれそうな感じだそうです。こちらも期待どおりの発電量が得られています。
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 7月1日から再生可能エネルギーの全量買取制度もスタートしました。住宅に関しては、今までどおり余剰分のみの買取となりますが、下がるだろうと噂されていた買取価格は42円と高い水準をキープしています。
太陽光発電の設置価格も、だいぶ下がってきました。太陽光発電を導入するには、いい時期かもしれません。
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 ただし、環境への負荷をすくなくするために大切なことは、使用する素材やディテール、間取りなど、建築的な工夫と住まい方の工夫により、可能な限り対応することだと思います。太陽光発電などの機械設備に頼りすぎないようにしたいものです。
どのように暮らせば一番快適にそして無駄なエネルギーを使わずに暮らせるのか、夏場の緑のカーテン、冬のペレットストーブの使い方など、施主の方が住みながらさまざまな工夫をすることで、よりよい暮らしができているように感じます。パッシブな住宅は、住み手がよりアクティブに住まうことで、その力を存分に発揮してくれます。今回の訪問で、改めて住まい手の力の大切さを実感しました。まだまだ、Kさん一家のエコハウスは、進化を続けるでしょう。その成長を楽しみにしています。
高橋

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