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2013.10.31 / 建築と住まいの話

「木組みをデザインする家」セミナー

来週末に開催されるセミナーのテーマは「木組みをデザインする家づくり」です。少し前にお送りしていたイベントスケジュールでは、「住む人を幸せにする収納」をテーマに掲げていましたが、これは12月のセミナーで行う予定ですので、楽しみにしていた方は次回にご期待ください。

さて皆さんは「木組み」と聞いて、どんなことを想像しますか。

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檜や杉の柱と梁、梁と梁どうしが組み上げられた姿を思い浮かべると思います。しかし、ツーバイフォー工法は勿論のこと一般的な在来工法であっても、「木組み」という考え方からはほど遠いのが現状です。
木で家を造るのであれば、こうした木どうしの接合部は必ずあるのですが、法的には金物で接合すればよいことになっているのが一つの要因だと思います。しかし最も大きな原因は、木を見せて使うという感覚が無くなってしまったことでしょう。
住宅が大量に造られるようになった時代、家づくりは大きく変わってしまいました。柱などの構造部材は壁や天井の中に隠れ、新建材と呼ばれるピカピカの材料で床や壁が仕上げられていきました。シックハウスの問題が表面化してから自然素材や無垢材に目が向けられるようになり、家の造りは随分と変わってきましたが、柱や梁の見える「木組みの家」は相変わらず少数派です。

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「木組みの家」がどうして造られないのか?という質問の答えは簡単。それは設計が難しいからです(笑)
柱や梁を見せるということは、その木造架構がそのままデザイン要素として大きな位置を占めることになるので、間取りと同時に架構を考えなければなりません。それは柱一つにしても疎かにはできないため、先ずは間取りを考え、しかる後に構造を考えるという訳にはいかないのです。
ですから、一度つくった間取りをちょっと変える場合にも、架構と間取りが整合しているか、架構を組み換える必要があるかを検証しながらの修正が必要です。安易に変更するのはご法度なのです(笑)

「木組みをデザインする」というのは、間取りと同時に架構を考える奥の深い作業なのですが、実例をご紹介しながら分かりやすく解説したいと思います。「木組みの家」に魅力を感じている方は、ぜひセミナーにご参加ください。

岸 未希亜

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